SFA導入ガイド -データ活用に自信がある会社向け

はじめに

※注 当ページはSFAを導入して日々の商談情報を素早く共有したい、というレベルでSFAを検討中の方には少しヘビーすぎて「SFAってそんなにじっくり考えて導入しなければならないの?」と引いてしまわれるくらいの内容になっています。決してそんなことはありません。気軽にSFA導入をお考えの場合はこちらのページをご覧ください。

SFA(営業支援システム)は良いソフトだから導入する、安いから導入するといった類のツールではありません。
最近だと営業DXを推進したいとか、営業効率や効果を高めたいといった営業や経営の課題解決を行う際の解決策がSFAです。
目的を達成するためには正しい導入手順を踏まなければなりません。

本ページではSFA導入の目的が「データを活用し、戦略を仮説検証できる営業組織にしたい」「営業部門を本気でDX化したい」という方向けです。

では、初めてSFAを導入する、せっかく導入するのであれば最大のSFA効果を享受できる方法で導入したいとお考えの方に向けたSFA導入手順を説明してまいります。

自社の営業課題を見極めよう

SFA各メーカーにお問い合わせされる前に、まずは自社の営業課題を見極めましょう

ちなみに私が導入コンサルタントとして・・・・
・営業課題の洗い出し
・ソフト選定
をサポートする際には、次のようなアプローチで課題を洗い出していきます。

営業課題抽出のアプローチ

私の課題抽出のアプローチから一部抜粋します。まずは下記をご覧ください。

≪仮説検証体制(マネジメント)レベル≫

下記の中から最も当てはまるものを選んでください。

a-1.売上目標以外に営業目標が設定している
b-1.各目標を特定のスパンで検証している
c-1.目標は設定しているものの、検証体制は構築できていない
d-1.目標は設定しているものの、形骸化している

≪営業スタイル≫

下記の中から最も当てはまるものを選んでください。

a-2.新規顧客や新規案件(単位)の開拓が重要である
b-2.取引先(既存客)の年間売上高UPが重要である

≪営業データ活用レベル≫

当てはまるもの全てを選んでください。

a-3.過去の対応内容を把握した上で顧客にアプローチしている
b-3.案件(商談)に対して次にどのような手を打つべきかを上司・部下間で共有できている
c-3.お客様からの要望は社内でデータ化し、適宜棚卸ししている
d-3.取引高や見込度に応じて顧客に対しての適切なアプローチを実践している
e-3.最新の営業(商談)ツールを営業マン間で共有できている
f-3.商談の成功・失敗事例は共有ノウハウとして蓄積している

≪営業マン育成レベル≫

a-4.~~
b-4.~~
c-4.~~ (以下、省略)

上の手順で現在の営業スタイル、営業レベルを判定し、レベルに応じた課題を抽出していきます。
たとえば、仮説検証がバッチリで、Excel(マクロ)でガチガチに目標管理を短期スパンで検証している場合には一般的なSFAでは対応できない場合があります。
その場合、当社ではsalesforceやkintone、もしくはシステム開発会社に依頼してお客様オリジナルのシステムを開発することをオススメしています。

このように現状の営業レベル、そして目指すべき営業像によって導入すべきSFAが異なります

営業課題を解決する機能を洗い出そう

営業課題を洗い出したら、次は、課題を解決する、もしくは課題解決を助成するIT機能を書き出します

上図のようにExcelでも何でも構いませんので、課題に対するITによる解決策を文字にします。
これがなかなか大変な作業です。
そもそも課題が思いつかなかったり、課題はわかっても解決策が出てこなかったり。。。

課題や解決策を書き出せない時の方法を簡単ですが紹介します。

簡易的な課題・解決策抽出方法

(1)営業に関するキーマン(責任者、マネージャー、担当者、事務員、情報系部署担当者)でSFA選定プロジェクトチームを作る
(2)現状に対して「こうなりたい」「こうあるべき」という目標を設定する
(3)目標に達するためには何をやるべきかを考える
(4)ダブりや些細な事を気にせず、一定の時間内で書き出す
(5分で1人10個など目標設定すると意外なほど書き出せます)
(5)書き出した課題や解決策をグルーピングする
(6)グルーピングと書き出された課題や解決策を見ながら、再度、(4)を実行する
(7)(5)を実施する→以下、(5)(6)を納得できるまで繰り返す
(8)最後に課題および解決策に対して優先順位をつける

このようなアプローチで、たいていの中小企業における課題を抽出することが出来ます。
大切なことは「それは課題」「これは解決策」「ごっちゃにするな」といった議論を行わないことです。

課題とは  :解決したいこと
解決策とは :課題を解決する方法

のことですが、議論において、よく混合しがちです。
で、混合してしまうことを注意すると意見が出なくなりますので、課題と解決策を分類せずにまずはひたすら挙げることを優先します。
挙げた後に分類すれば結果オーライになるので、課題と解決策を洗い出しましょう。
※洗い出した課題や解決策をまとめた表をここでは「SFA機能比較表」と名付けます。

SFA各社の資料請求・デモンストレーションを見よう

営業課題とITによる解決策を抽出できました、ここでようやくSFA各社に資料請求をします。
また資料請求だけでなく、デモンストレーション(略称「デモ」)も同時に依頼しましょう。

各SFAの資料を読み込むよりも、メーカーの営業マンに尋ねる方が早いですし、細かな情報を得ることが出来ます。

さらにデモにて、SFAを活用することで課題がどう解決できるかのイメージがグンと湧くはずです。

ちなみに複数のSFAを見る場合は、次の方法をオススメします。

(1)最初の1社はメーカーにお任せのデモをお願いする
(2)2社目以降は「5~10分程度の基本的なデモ」をお願いする
(3)洗い出した課題や解決策に必要な機能をデモしてもらう
(4)他社と比較した際の強みと弱みを尋ねる
(5)導入費用とランニング費用の概算を尋ねる
(6)無料トライアルを準備してもらう
(7)自社に合ったデータでトライアル環境を構築してもらえるか確認する

SFAメーカーと初めて面談する際には、まずは以上7点を確認しましょう。

トライアルサイトを体験する・機能検討シートでSFAを比較する

次にSFAメーカーのデモと面談での質疑応答、そしてトライアルサイトを用いてSFA機能比較表に〇×をつけていきます。

デモである程度の〇×がつけられます。そして、機能的に出来るか否かが微妙かも・・・という箇所をトライアルサイトにて検証しましょう。

また、トライアルサイトを利用する時には注意が必要です。
トライアルサイトの運用にも目的が必要です。

目的の設定例を挙げると・・・

〇 商談情報を●分以内に入力できること
〇 商談情報を●分以内に入力できるようフォーマット変更が簡単に出来ること
〇 入力した情報の参照までに手間なくアクセスできること
-顧客情報の参照
-案件情報の参照
-顧客や案件ごとの商談履歴
-クレームの分類別参照
-売上見込表の参照
-累計商談件数(営業部・営業マン別)の参照 など

このようにトライアル段階では主に、
(1)入力のしやすさ
(2)情報変更の容易さ
(3)情報参照の簡単さ
の3点に絞って確認を行うことをオススメします。

目的を設定していないと「なんとなく使いやすい」「なんとなく使いづらかった」という結論に至ることが多く見られます。

では上に挙げた3点それぞれを簡単に解説してまいります。

SFAにおいて入力のしやすさが重要である理由

SFAは毎日入力せねばならないITツールです。
入力された情報の質と量によって営業改善を図ることが可能となるからです。

よって誰でも手間なく、そしてストレスなく入力できることは、運用定着の要因の1つと言えます。

SFAにおいて情報変更の容易さが重要である理由

戦略の実行度合を検証するツール、それがSFAです。
戦略(戦術)は環境に合わせて柔軟に変更しなければなりません。

戦略が変更されれば、SFAの顧客情報や商談フォーマットも変更しなければなりません。

よってSFAでは設定を変更することが当たり前で、設定変更が容易でないと運用しづらいということになります。

SFAにおいて情報参照の簡単さが重要である理由

SFAで情報を参照することは、入力と同様にほぼ毎日行います。
顧客に電話する際に電話番号を調べる
部下の営業活動を参照する
上司のコメントを参照する
最新の売上見込予定を参照する などなど
SFAで1日に何度も様々な情報を見ることになります。

となれば、必然的にどんな情報でも簡単に参照・アクセスできることが求められます。

導入するSFAの決定=SFA導入プロジェクト発足

各社のデモを見て、トライアルを行い、機能検討シートを埋めて、しっかりと比較を行って導入するSFAを決定します。

決定しましたら、今度はプロジェクトメンバーでSFA導入プロジェクトを発足しましょう。

プロジェクトでは次のことを取り決めましょう。

メンバー(選定プロジェクトメンバーと同じでOK)
SFA導入目的
目的達成一次ゴール
目的達成スケジュール

上に挙げたそれぞれの必要性を順に説明します。

SFA導入・運用プロジェクトメンバーの必要性

たまに
「SFAを導入した。今日から使うように」
とだけ社内チャットもしくは朝礼や社内メーリングリストで告げている企業がありますが、これだとなかなか定着しません。また仮に定着しても本来の効果を期待できないケースが多くあります。

SFA導入時には選定時と同様にプロジェクトメンバーを選任しましょう。

・営業の責任者
・営業のマネージャー
・営業担当者
・情報システム部門や総務部などシステム管理者を担う人

この4つの立場の人を合計で4~10名くらい(SFA利用アカウント数に応じて人数は変わります)を選びます。

プロジェクトメンバーを選ぶ理由は
私達が会社のために必要だと思って、議論を重ね、自社仕様に作り上げたSFA
という認識を作るためです。

なので、営業マネージャーや営業担当者の良い意味で声の大きい人(社内影響力の大きい人)を選ぶべきです。

彼ら、彼女たちがプロジェクトメンバーとして携わっているという自覚を持ってもらい、運用に対して当事者意識をもってアクションさせることで早い定着と活用が望めます。言い換えるなれば、やらされ感を持ったままでは運用がうまくいかないということです。

SFA導入目的を設ける必要性

営業社員からするとSFAを運用することは、これまで慣れ親しんだ社内情報共有を止めて
新しい情報共有をスタートさせる=面倒くさい
という感じ方をされることが当たり前です。

「社内の情報をよりスピーディーに共有し、有益な使い方をしよう!」というザックリとした導入目的だと少なからずの反発を生みます。

反発を予防するため、そしてSFA導入の費用対効果を出すためにもSFA導入目的の設定が重要となります。

導入目的は、SFAを選定していた段階で書き出した課題をもとに設定しましょう。

≪導入目的設定例≫
例1.既存取引先の重点顧客に対する訪問の徹底と、徹底による売上UP効果の検証
例2.新規案件受注率アップ
例3.顧客から製品改善の要望を吸い上げ、製販一体の体制を構築

このように目標設定をすれば
「田中部長は重要顧客に訪問を重ねろとしつこかったが、SFAを使うことで数字を持って効果が示せるってわけか」
「足で稼ぐのではなく、案件1件1件を必中させることをSFAで見える化するのだな」
「思い付きの製品開発会議ではなく、私達営業の声を製品開発に活かすというわけね」
と言った具合に、SFA導入に対して納得感を醸成することができるようになるのです。

SFA導入目的達成を示すゴール設定の必要性

目的を設定したら、目的を達成できたかどうかを表す数値目標、すなわちゴールの設定も同時に行います。

≪ゴール設定例≫
例1.重点顧客との年間商談登録件数 20件/1社
例2.案件受注率 30%/1件
例3.製品改善の要望登録件数 10件/営業マン1人

ゴールが設定されていると戦略の見直しがききます。
たとえば例1の場合、ゴールを無事クリア、つまり20件以上の商談を年間で行ったとしましょう。
ところが、ゴールをクリアしたものの、売上UPには大きく寄与しなかった・・・となると、
・重点顧客と商談を重ねても売上UPは望めない
・重点顧客の定義が正しくなかった など
といった仮説が立てられ、新たな営業戦略を立案するための材料にできます。

ゴールと言う指標を設定しなければ、ただなんとなくSFAを運用することになり、
「前より商談情報の共有は早くなったな~」
という情報共有のスピード面のメリットしか享受できません。

SFAが最大の効果を発揮するのは仮説検証の検証面です。

検証するためには目標=ゴールが必要となりますので、導入時にはゴールを忘れず設定することをオススメします。

目的達成スケジュール

プロジェクトでは当たり前の話ですが、何をいつまでに誰がやるかはしっかりと決めておきましょう。

SFA導入と定着においては次のようなスケジュール設定が一般的です。

(1)導入目的の設定
(2)ゴールの設定
(3)ゴールを検証するためにSFAに設定すべき項目の洗い出し
(4)(3)にそくしたSFAの各フォーマットの設定
(5)自社専用の操作マニュアルの作成
(6)目的・ゴール、そして操作を営業マンに理解してもらうための説明会の開催
(7)運用開始
(8)スタートアップフォロー(運用開始後1~2週間)
(9)目的・ゴールにそくした運用が出来ているかを振り返る定例会(月1回)
(10)ゴール検証(運用開始後3ヶ月・半年・1年など必要に応じて)

下図は例ですが、導入スケジュールをしっかりと週・日単位で立てて実行します。

最後に

今回ご紹介したSFA選定~導入の手順については、本腰を入れてデータを活用した営業組織への転換を図りたいとか、営業DXを本気で推し進めたいとお考えの企業向けの内容です。

冒頭にも書きましたが、日々の商談情報共有スピードを高めたいだけであれば、プロジェクトメンバーを組んだり、課題を徹底的に洗い出したりする必要はありません。

商談情報を素早く共有できるようにしたい
顧客情報をデータとして残したい

こういった課題解決をお望みの方にも、SFAは役に立つツールです。

本ページではあくまでもSFAを最大限に活用するためには・・・という視点でまとめましたので、その点をご理解いただければと思います。

最後となりますが、本ページでご紹介したSFA機能比較表は無料公開しております。
それ以外にも本ページでご紹介した資料は無償提供しておりますので、ご興味ある方はお問い合わせページよりお問い合わせページよりご相談くださいませ。

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