顧客管理とは
営業における顧客管理って何?
営業担当者個人に依存せず新規、既存問わず1度でも接点のあったお客様のことが分かる状態のことを指します
まず顧客管理は幅広く定義することができます。
SFAや名刺管理アプリを使う顧客管理もあれば、営業担当者がお客様の名刺をファイル管理すること、これも顧客管理と言えます。
(今回は主にBtoB営業の顧客管理について書いていきます。小売店や飲食店の方には一部、当てはまらない内容があるかもしれません)
今回は顧客管理について次のように定義して話を進めていきます。
顧客管理とは・・・
企業の営業部門の営業効率や取引先などお客様の満足度を高めるための手段
です。
新規開拓における顧客管理の目的
新規開拓で初めて商談して、即契約することが出来たというケースが皆さんの会社でもこれまでにあるはずです。
この商談の要因には「運(偶然)」「営業担当者個人の力量」「商品力」が多くを占めています。
※商談に至るまでの営業努力は当然あります。
同じく新規開拓で、以前から数年追いかけていたお客様がようやく契約してもらうことが出来たというケースもあります。
この要因は「組織的な顧客管理力」が多くを占めています。
この2つのケースから分かるように後者は顧客管理による後追い・フォローを組織的に行うことが出来ています。
顧客管理を会社として取り組むことで運や個人の力量に依存せず、中長期的に見ると新規開拓効率が高まっていくのです。
取引先の顧客満足度向上における顧客管理の目的
取引先や得意先など既存顧客への営業アプローチにおいても顧客管理は有効です。
まず古今東西問わずその必要性が最も出てくるのが引き継ぎの時でしょう。
会社によっては引継書を作成して顧客特性を次の担当者に伝えるといった方法を採られているケースがありますが、顧客管理を徹底していれば引継書はおろか口頭での伝達も必要ありません。
あらゆる顧客情報を日頃から組織的に管理しておくことができていれば、極端な話をするといつでも誰でも得意先に対応することが可能となります。
そのように顧客管理が出来ている会社とそうでない会社で、どちらの取引先の顧客満足度が高いかは言うまでもないはずです。
顧客管理システムとは
顧客管理の必要性はよく理解できました。では顧客管理システムとはどんなもの?
システムというと大げさですが、要は誰でも違いの無い顧客情報を書き込める顧客台帳のことです
顧客管理システムというと最近であればアプリとか業務システムを思い浮かべがちです。
けれども顧客管理の主旨からすると顧客管理システムとは
営業社員全員が一定のルールに従って会社として必要な顧客情報を書き込める顧客台帳のこと
を指します。
端的に言うと「人によってバラバラの情報を書き込んである顧客管理はNG」というのが顧客管理システムの意義です。
そう、管理する情報の精度を一定以上に保つために顧客管理システムが必要なのです。
顧客管理に必要な項目
顧客管理のために必要な項目には何があるの?
顧客が抱える課題とその課題のBANT条件からまずは始めましょう
営業活動で顧客情報を活用することを考えた時、必要な項目を挙げたらキリがありません。
では最低限必要な項目は何かと考えると顧客の抱える課題とBANT条件を挙げます。
課題とは自社が提供しているサービスに関わる分野で顧客がどのような問題を抱えていて、どうやって解決しようとしているかのことを指します。
たとえば皆さんがコピー機を販売しているとします。
商談したお客様が今、お使いのコピー機に対して
「ランニングコストが高い」
「印刷オプションが足りないので手間がかかっている」
とします。
これらは今のお悩み(問題)で、このお悩みをどのように解決しようとしているかが課題となります。
問題と課題を入力できる欄を顧客管理システムには用意しておくべきです。
将来、このお客様に再アタックした際には問題と課題を共有した状況から商談を再開することが出来るようになるからです。
課題共有が出来ていれば「ウチ(お客様)のことをよくわかってくれている」という信頼関係の構築が容易になります。
また同様の課題を抱えているお客様の解決事例が出てきた際には顧客管理システムから課題でターゲット顧客を抽出してアプローチすることも可能となります。
新規開拓の効率化が図れるようになるのです。
続いてBANT条件について。
BANT条件とは
Budget ・・・予算
Authority ・・・決定権
Needs ・・・必要性
Timeframe ・・・導入時期
の頭文字をとったものです。
商談の際に課題解決のためのBANT条件をヒアリングしておくことで、お客様の本気度を推し量ることが出来ます。
商談を進展させるためにも必ず把握しておかなければいけない情報です。
また将来再アプローチする際にBANT条件があることで顧客に寄り添った営業活動をすることができます。
たとえば「やりたいが予算がなくて・・・」と断られた場合、
予算取りはいつ、どのようにして行われるのでしょうか?
と確認しておけば、再アプローチの時期とその際にどのような準備をすればいいかが明確になります。
以上のように顧客管理を行う場合は問題と課題、そしてBANT条件を項目に用意することが必要です。
Excel(エクセル)で顧客管理する場合はこんな感じになります。
なお、引合経緯(きっかけ)などマーケティング情報、クレームや要望などについては上で挙げた2つの情報入力を徹底できるようになってから段階的に取り組んだ方がいいでしょう。
顧客管理システムをExcel(エクセル)で構築する方法
顧客管理システムをエクセルで作る場合はどんな風に作ればいいの?
Excel(エクセル)で顧客管理フォーマットを作成して、スプレッドシートかファイルサーバーで管理しましょう
Excelでの顧客管理項目が決まったら、次に考えるべきは社内での共有方法です。
Excelで顧客管理システムを構築する場合、社内共有の方法は大きくは3つです。
1.スプレッドシートで共有する
2.オンラインストレージで共有する
3.ファイルサーバーで共有する
上の3つからセキュリティポリシーに合った方法を選びましょう。
ポリシー次第ですが、顧客管理の場合は関数やマクロを利用するケースはレアです。
初めて顧客管理を行う企業の場合は、スプレッドシートの手軽さを活用することでより早く顧客管理の利便性を受けられるはずですのでオススメです。
顧客管理システムをExcelで構築する際にもう1つ気をつけておきたいのが、検索性です。
顧客管理システム導入の目的の1つは「条件に見合ったターゲットを抽出できること」です。
よって検索しやすいフォーマットにしておく必要があります。
よく1つのファイルや1つのシートに1顧客情報を作成されているケースがあります。
これだと検索することが面倒で、さらには検索して一覧で参照することが出来ません。
1行に1顧客情報を記載した方が検索性に優れているのでオススメです。
顧客管理システムをアプリやソフトで構築する方法
Excelならタダだから、ソフトやアプリをわざわざ導入する必要はないかな?
決して営業トークをするわけではないのですが、ソフト(SFA・CRM)の方が多くのメリットを得られますのでオススメです
先ほどExcel(エクセル)での顧客管理方法について触れました。
けれどもちゃぶ台を返すようですが、ソフトを使って顧客管理システムを構築した方が手っ取り早く、活用の幅が広くなるのは間違いありません。
営業部門の顧客管理システムのことをSFA(SalesForceAutomationの略称)やCRM(CustomerRelationshipの略称)と言います。
※SFAについて詳しくはコチラをご覧ください。
上述した通りSFAやCRMでは、顧客に関するBANT条件などを組織的に同じフォーマット(情報精度)で入力していくことがもちろん可能です。
その上、検索性にも優れており、日々の商談活動や営業日報の内容を紐づけたりすることも出来ます。
こと検索性においては・・・
「前回の商談から6ヶ月経過した顧客」
「商品を販売してから1年経過した顧客」
「決算3ヶ月前の顧客」
など任意の条件に該当する顧客をターゲットリストとして抽出することができます。
つまり絶好の提案タイミングである顧客をSFAが教えてくれるのです。
これにより営業は日々の提案や商談に全力を注ぐことが可能となります。
SFAにはこのように営業活動の質を高めるための補助的な機能がついています。
Excelの場合は補助要素を自分たちで考えなければなりません。
以上から鑑みるとSFAを導入した方が手っ取り早く、営業改善に活用できるという結論に至るのです。
クラウド型顧客管理システムとは
補足でクラウド型顧客管理システムについて解説します。
クラウド型顧客管理システムとはクラウドサービスのSFAやCRMのことです。
ソフトの利用形態にはオンプレミスとクラウド、大きく2つの利用方法があります。
オンプレミスとはサーバーを社内に(物理的に)置いて、そのサーバーの中にSFAやCRMなど顧客管理ソフトをインストールし、サーバーにアクセスしてシステムを利用する方法のことです。
噛み砕いて言えば、社内サーバー版システム≒オンプレミスです。
一方のクラウドとは、システムメーカーが所持しているサーバーの中にソフトがインストールされているので、利用企業は付与されたURLにアクセスして利用する形態のことを指します。
こちらも端的に言うと、メーカーサーバー版システム≒クラウドです。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
オンプレミスのメリットは・・・
・いわゆる買い切りモデルのため、ランニングコストがかからない
・システムの利用人数が多い場合、クラウドに比べれば数年でコストが逆転する(安く利用できる)
・クラウド(メーカーのサーバー)がストップすることにビビらなくてOK
といった具合に、主にコスト面でのメリットがあります。
デメリットはと言うと・・・
・サーバーを自社で管理、運用しなければならない
・社外からアクセスする場合にはセキュリティを構築しなければならない
・初期費用がクラウドに比べると高額である
・数年に1度、(PCを買い替えるのと同様に)サーバーを入れ替えなければならない
といった点があげられます。
対してクラウドのメリットをあげると・・・
・すぐに導入、運用することが可能である
・少人数で利用する場合、多大なコストを投じる必要がない
・セキュリティを気にせずいつでもどこでもシステムを利用することができる
というように手軽さという大きなメリットを享受できます。
デメリットは・・・
・長い目で見ると月額コストが負担となる
といったコスト面です。
このようにオンプレミスとクラウドではそれぞれ一長一短があります。
弊社に限った話ではありますが、最近では9割の企業がクラウドで導入し、利用されています。
やはりサーバーを管理するという手間と顧客情報を蓄積していくのでセキュリティ面を考慮するとクラウドの手軽さに軍配が上がるようです。
顧客管理の必要性 まとめ
顧客管理はITが身近になった今日において必然となったと言えます。
まずはExcelで顧客管理を始めるも良し、SFAを導入して本腰で取り組んでいくのももちろんアリです。
ここからは宣伝になりますが、弊社SFA「Ecrea」は初めて顧客管理を行う企業に向けた業界初のコーディネート型システムです。
必要な機能だけを選んで導入することが出来ますので、費用を超低コストに抑えることができる上に、シンプルなのでとても使いやすいシステムです。
※月々1,000円からご利用可能です。
弊社SFAにご興味ある方はもちろん、どのような形態や手段の顧客管理が自社に合っているかお悩みの方はいつでもお気軽にご相談ください!