営業部門の情報共有の手段として日報や週報に取り組んでいる企業は未だ多く存在します。
しかし、書き手、すなわち営業担当者の多くは「面倒くさい・・・」と感じながら書いて(入力して)いるのが実情です。
ということで今回は日報の有用性について考えていきます。
営業日報に取り組む理由
日報をはじめとした報告書に会社が取り組む理由としては・・・
「営業担当者が顧客とどんな話をしているかが分からない・・・」
「社外でどのような活動をしているのかがわからない・・・」
営業という職種は他の職種と異なって何かを作るなど、ハッキリと目に見えて把握できる業務内容ではないため、日報や週報など報告書という形式でその日やその週の成果を会社としては求めているのだと僕は考えます。
一方で営業担当者としては・・・
「書いたり、入力することが面倒くさい」
「成果は出すのだから、管理するようなことはしてほしくない」
という理由で情報を残す、つまり報告書を提出することを嫌がるものです。
また、報告書をあげても・・・
「マネージャーから有益なアドバイスが返ってきたりするわけではない」
「日報をもとに営業活動がしやすくなるような改善が施されることはない」
といった情報共有自体に意味がないことも営業担当者が情報共有を嫌がる理由の1つです。
こう見ると、経営層と営業担当者の要望はトレードオフのように見えますが、はたして両者にとって有益な情報共有を実現することは出来ないのでしょうか。

日報に対する世間の声
結論として日報は不要なのか、それとも必要なのか世間の識者の見解をXから引用してみます。
日報を嫌がる奴、朝礼を嫌がる奴は採用したらあかんで。会社に入れは会社のルールに従うのが当たり前。それすらできないやつで仕事ができるやつなんておらんわ。 https://t.co/nzfep3osoD
— ゆる麻布 (@yuruazabu) February 5, 2025
日報の有用性からは少し話は逸れますが、この2つのポストからは経営者やマネージャーに対して「日報を書いたり入力することを嫌がるような社員、組織にしてはダメだ」というメッセージが書かれています。
他には
4月に入社した皆さんへ。この時期に毎度ご紹介していることですが、「日報、あなどってはいけません。」
— 今井晶也|セレブリックス (@M_imai_CEREBRIX) May 13, 2024
日々の活動に何らかの成果を求め続ければ、新しい発見・改善点・問題点に気付けるものです。
問題意識や改善思考の習慣が身につく格好の訓練になりますよ!
営業担当者向けに日報は思考訓練にうってつけであるというポストもあります。
あと2つ、マネージャー目線の日報に対するポストを紹介すると
日報をあなどるか、否か。は、チェックする側によると思います。マネジメント側のチェックがゆるい、必要なコメントをしないなどの状況が続けば必然的にそうなります。もちろんそれでもやる人はやりますが、双方の意識が合わさってこそ機能する。 #スーパー自戒タイム https://t.co/7MULPlEijy
— しげの_インサイドセールスプラス (@insidesales_job) May 13, 2024
日報と言えば、Yahoo!の副社長当時、業績を上向かせる為に様々な人材を探し求めてて、とある有名上場企業内でで"赤字事業を3か月で立て直せる男"としてオーナー創業者から重宝がられている人材と、大阪まで尋ねに行って会った。
— 川邊健太郎 (@dennotai) February 5, 2025
すごく丁寧に話し方をする彼曰く、… https://t.co/WWWgaeiVWq
マネージャーの意識次第で日報は活用できるという意見がありました。
このように日報に対して、その必要性を唱える方が世間的に存在していることは事実でやはり、日報は使い方次第で強い武器になり得るのです。
経営者もマネージャーも営業担当者も喜ぶ日報運用のコツ
ではようやく本題です。
経営者もマネージャーも営業担当者にとってもメリットのある日報運用の方法をここからは考えてまいります。
運用のポイントは3つです。
マネージャーの素早いフィードバック
1つ目は先ほど紹介したXのポストにもあったように上長、つまりマネージャーからのフィードバックです。
報告書に対して意味のあるフィードバックをもらえるならば営業担当者として書くメリットが生まれます。
この時、フィードバックするスピードが重要です。
提出した日報に対して1週間後にフィードバックがあった場合、たとえそのフィードバックの内容が良かったとしても
「この商談、ちょうど昨日ボツになっちゃったんだよな・・・マネージャーの言う通りにすれば上手くいったかも・・・もっと早く言ってよ」
となってしまい、遅いフィードバックでは後手を踏ませてしまいます。
アドバイスにせよ指示にせよフィードバックはできれば当日中、遅くとも翌日中に行うことで、日報という情報共有を軸とした上司部下連携が深まるキッカケとなっていきます。

日報の二次利用
日報が面倒ぐさがれるのは再利用できないことも理由の1つです。 裏を返せば、将来の営業活動のネタになったり、営業を改善するための一次データとして活用できれば日報を書く意味がでてきます。

営業日報で作戦会議
そして最後は日報の書き方です。
その日に実施した業務や商談の内容だけ書くと
「なんでこんな商談をしたんだーー!」
と見る側、つまりマネージャーもマイナスなフィードバックになりがちです。
なので、今日の商談内容に加えて、次はこうするつもり、とか商談を進展させるためにこんなことを考えている・・といった作戦を併せて書くようにしましょう。
そうすればマネージャーも「だったら、この資料も作って送っておいたほうが良いと思うよ」と作戦に対してマネージャーの経験やノウハウを注入することが出来るようになります。 日報を今日という過去の振り返りに使うのではなく、良い未来のための作戦立案のプラットフォームにするのです。

役に立つ営業日報の書き方
では具体的にどんなフォーマットがいいのか、一例を紹介すると、Excelならばこんな感じです。

どこの会社の誰と会って、どんな話をしたか、そして先ほど申し上げた次の作戦を書けるようにしておきます。
こうしておけば見る側のマネージャーは次の作戦を一緒に考えることが出来ます。
もちろん日報上で作戦を考える必要はありません。 「この次のアプローチの件、詳しく知りたいから明日、個別にミーティングしよう」と持ちかけて作戦を考えるキッカケにすればいいのです。
ご参考までにSFAと呼ばれる営業支援システムの場合でも同様の画面です。

どこの誰、どんな話、そして次の作戦をExcel同様に入力が可能です。
さらにSFAの便利な点が入力した商談を将来の掘り起こしリストに登録したり、短期的な見込み商談として管理するための案件リストに入れ込んだり、日報の内容をもとに営業活動分析を行えるという、一石何鳥にもなる点です。
こちらについてご興味ある方は是非、弊社にお問い合わせください。
営業日報は強い営業組織の土台
最後に今日のまとめです。
日報をうまく使うことで情報を活用した強い営業チームを作ることが出来る
ということをテーマで説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
日報運用を成功させるためのポイントとして
・日報に書かれていたことを責めることはせず、未来への対策を一緒に考えるようにすること
・営業担当者が時間を割いて入力した情報を再活用すること
・フィードバックはスピードが命
・悪い報告はウェルカムなスタンスで、営業担当者がどんな情報も喜んで報告する風土を作り上げること
まずは以上4つの中からいずれかに取り組んでもらえましたら、きっと強い営業チームへの一歩を踏み出せるはずです。

是非、取り組んでみてください!
弊社では日報に限らず、案件管理や顧客管理のExcelフォーマットをご用意しております。
SFAはまだウチには早いけど、Excelのアイデアが欲しいといったご要望にも応えます。
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