「営業は毎日しっかり訪問している」
「長年の付き合いの顧客も多い」
それなのに・・・売上が思うように伸びない。。。。
ルート営業を中心に事業を展開している経営者の方なら、一度はこんな違和感を感じたことがあるのではないでしょうか。
本記事では、営業担当者の頑張り不足ではなく、経営視点で見落とされがちな“構造的な原因”に焦点を当て、
ルート営業が伸び悩む企業に共通する5つの理由を解説します。
「ウチの会社も当てはまっていないか?」
そんな視点で読み進めてみてください。
なぜルート営業は「頑張っているのに成果が出ない」のか
多くの経営者がまず疑うのは
「営業の動きが足りないのでは?」
「もっと訪問数を増やせばいいのでは?」
という点です。
しかし実際には、訪問件数が多い企業ほど成果が頭打ちになっているケースも少なくありません。
問題は“量”ではなく、営業のやり方そのものが、時代や顧客の変化に合っていないことに潜んでいます。
ここからは、経営者の立場でぜひ知っておいていただきたい
「ルート営業が伸びない本当の理由」を順に見ていきましょう。
理由①|「訪問すること」が目的化している
ルート営業で最も多い落とし穴がこれです。
- 決まった曜日に訪問する
- とりあえず顔を出す
- 雑談をして帰る
- 納品、改装、巡回など言われたことだけを店先で行う
こうした営業が悪いわけではありません。
問題なのは、訪問そのものが目的になってしまっていることです。
経営者視点で考えてみてください。
その訪問は、
「顧客にとってどんな価値があるのか?」
「売上につながる意味を持っているのか?」
成果を出している企業では、
情報提供・課題ヒアリング・次のアクション設定など、
訪問ごとに明確な目的があります。
一方、伸び悩む企業ほど
「行かないと怒られるから」
「昔からそうしているから」
という理由で訪問が続いています。
理由②|顧客の優先順位が整理されていない
次に多いのが、すべての顧客(得意先)を同じように扱ってしまっているケースです。
すべての顧客(得意先)を同じ頻度・同じ熱量で回っていないでしょうか。もしくは声をかけてくる顧客(得意先)を優先して回っていないでしょうか。
- 売上が大きい顧客
- 将来性のある顧客
- 取引がほぼ止まっている顧客
本来であれば関わり方や訪問頻度は変えるべきです。
しかし現場では
「昔からのお付き合いだから」
「クレームが怖いから」
といった理由で、優先順位が曖昧なまま営業活動が続けられています。
経営者にとって重要なのは、限られた営業リソースをどこに集中させるかです。
この視点が欠けてしまっていると
営業は忙しいのに売上は伸びない・・・
という状態に陥ります。
理由③|顧客情報が人に依存している(属人化)
「その顧客(得意先)のことは〇〇さんじゃないと分からない」
この言葉に心当たりはないでしょうか。
属人化が進んでいる企業では
- 顧客情報が担当者の頭の中にある
- 過去の経緯や背景が共有されていない
- 経営者が全体像を把握できない
といった状況が生まれます。
短期的には問題がないように見えても、
- 担当者の退職
- 異動
- 休職
といったタイミングで、一気に営業力が低下する恐れがあります。
経営者の立場から見ると会社の重要な資産である顧客情報が、個人に紐づいている状態は非常にリスクが高いと言えます。
理由④|営業活動が「振り返れない・改善できない」
「なぜ今月は売上が良かったのか?」
「なぜこの顧客は離れてしまったのか?」
これらの問いに、感覚ではなく事実として答えられるでしょうか。
多くの企業では営業活動の記録が曖昧で
- どんな提案をしたのか
- どんな反応だったのか
- 次に何をすべきだったのか
が整理されていません。
結果として
- 改善点が見えない
- 成功パターンが再現できない
- マネジメントが経験頼りになる
という状態に陥ります。
振り返れない営業は、成功パターンも失敗要因も蓄積されず、改善できません。
営業は本来、振り返って改善してこそ強くなる活動です。
理由⑤|時代の変化に営業スタイルが追いついていない
最後は、最も本質的な理由です。
顧客の購買行動は、ここ数年で大きく変わりました。
- 事前にネットで情報収集する
- 複数社を比較してから検討する
- 「売り込み」より「提案」を求める
にもかかわらず、営業スタイルが昔のままだとどうなるでしょうか。
「とりあえず訪問」
「御用聞き営業」
「顔を出せば関係は続く」
こうしたやり方は、徐々に顧客から選ばれなくなっていきます。
ルート営業だからこそ時代に合わせたアップデートが必要なのです。
ルート営業を立て直すために、経営者が最初にやるべきこと
ここまでご覧いただき、「ウチも当てはまるかもしれない」と感じた方も多いのではないでしょうか。
大切なのは、いきなりツールを導入したり、現場を責めたりすることではありません。
まず経営者やリーダーとしてやるべきことは、
営業を“感覚”ではなく“構造”で見ることです。
- 訪問の目的は明確か
- 顧客の優先順位は整理されているか
- 情報は個人に依存していないか
- 改善できる仕組みがあるか
これらを整理することが、営業改革の第一歩になります。
まとめ|ルート営業が伸びない原因は「個人」ではなく「仕組み」にある
ルート営業スタイルで売上が伸びないと、つい「営業パーソンの問題」と考えてしまいがちです。
しかし実際には、原因の多くは会社の仕組みや考え方にあります。
- 訪問の目的が曖昧
- 顧客の優先順位が不明確
- 情報が属人化している
- 振り返れない営業
- 時代に合っていない営業スタイル
上に挙げたのは要因の一部です。これらに気づくこと、いや、調べることがルート営業を立て直すための第一歩です。
まずは自社の営業の問題点を見つけること、そして問題点(原因)に対して優先順位をつけることから始めてみてはいかがでしょうか。
エクレアラボではルート営業型企業の他社事例をもとに、皆さんのお悩みや問題点を一緒に探すことからサポートしております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。





