「ウチの営業は昔ながらのルート営業でやっているけど、このままでいいのかな…?」
そんな疑問を持つ中小企業は少なくありません。
時代は大きく変わり、顧客の情報収集も購買行動もデジタル化が進みました。
その結果、「ただ訪問するだけのルート営業」は徐々に通用しなくなっています。
この記事では
ルート営業の基本 → よくある課題 → 効率化のポイント → 売上UPのマネジメント → これからの進化
まで、現場目線でわかりやすく解説していきます。
そもそも「ルート営業」とは?基本をわかりやすく解説
ルート営業と新規営業の違いとは?
まず最初に押さえておきたいのは、ルート営業の役割です。
ルート営業=既存顧客を定期的に訪問して関係を維持し、販売や提案を行うスタイル。
一方で、新規営業は「見込客を探し、はじめましてからスタート」です。
言い換えると……
- 新規営業:出会い頭の戦い
- ルート営業:長いお付き合いの勝負
どちらも大切ですが、求められるスキルも目的も異なります。
ルート営業が企業にとって重要な理由
ルート営業は企業の売上の土台を支える存在です。
- 安定した売上を生みやすい
- リピート率が高いほど経営が安定する
- 顧客のニーズ変化に気づきやすい
とくに中小企業は既存顧客の売上が全体の7〜9割を占めるケースも多く、
その顧客との関係をしっかり保つルート営業はまさに生命線です。
ルート営業の“誤解されがちな役割”
昔ながらのイメージだと・・・
- とりあえず顔を見せに行く
- 注文があればもらう
- 様子を見に行く
このような「ついで営業」になっているケースが多いものです。
しかし、現代のルート営業はもっと高度です。
顧客の課題を深掘りし、価値ある提案をする「提案型営業」に進化する必要があるのです。
今のルート営業はなぜ成果が出にくいのか?よくある課題
訪問ルーティンが形骸化しやすい
決められたルートをなんとなく回る営業になりがちです。
「今日は火曜日だからB社に行くか…」
こんな営業スタイルだと、訪問の目的が曖昧で成果につながりにくくなります。
顧客フォローの抜け漏れが発生する
担当者の頭の中だけで顧客を管理していると・・・
- 長期フォローを忘れる
- 小さなニーズの変化を見逃す
- 引き継ぎで情報が消える
といった問題が頻発します。
担当者依存(属人化)が起きる理由
「Aさんじゃないと対応できない」
「Bさんだけ顧客に好かれている」
こうした属人化は、中小企業あるあるです。
しかし、属人化の最大の原因は……
顧客情報と営業プロセスが仕組み化されていないこと。
つまり、シクミ(ツールやルール)がないから起こるのです。
昔ながらの営業スタイルでは限界が来ているワケ
課題の根本には、時代の変化があります。
- 顧客はネットで情報収集する
- 競合も多く、提案内容が比較される
- 営業の働き方も短時間化・効率化が求められる
「訪問数=成果」の時代はとっくに終わり、
価値ある接点が求められる時代に突入しました。
ルート営業を効率化するための3つのポイント
では、どうすればルート営業は効率化できるのでしょうか?
結論はこの3つです。

ポイント①|営業ルートを最適化し、訪問効率を高める
回る順番・回る頻度・優先順位を最適化すると、
訪問効率は30〜40%改善すると言われています。
- 売上が高い顧客
- 潜在ニーズ(売上ポテンシャル)が高い顧客
- フォローが必要な顧客
これらを見える化するだけでも、訪問の質が一気に向上します。
ポイント②|顧客情報を一元化し、提案準備の時間を削減する
提案が薄くなる原因は「情報不足」。
だからこそ、情報を一元化するシクミを構築することが必要です。
- 過去の注文状況
- 競合対応履歴
- 課題・要望メモ
- 商談履歴
これらがすぐ見れるだけで、提案の質は圧倒的に上がります。
ポイント③|定期訪問の“目的化”で成果につながる行動へ変える
定期訪問はルーティーン化しやすく、
「なんとなく行って、雑談して帰る」
こんな営業も少なくありません。
しかし、訪問前に以下を明確にするだけで、成果が出る訪問に変わります。
- 今日の訪問目的
- 提案したい内容
- 得たい情報
- 次のアクション
ルート営業で売上を伸ばすためのマネジメントのコツ
ルート営業が伸び悩んでいる企業の多くは、
マネジメントが設計されていないことが原因です。
KPI設計|「訪問数」だけでなく“質”を評価する
これからのルート営業は、
- 訪問数
- 提案数
- 受注率
- 商談化率
といった活動の質を評価する必要があります。
顧客ランク付けで優先順位を明確にする
すべての顧客を同じ頻度で回るのは効率が悪いです。
- 重点顧客
- 育成顧客
- 維持顧客
このように分類し、訪問戦略を変えることで売上効率は大幅に改善します。
営業フローの標準化でバラツキをなくす
ルート営業は「人に依存しやすい」営業スタイルです。
だからこそ、再現性のある型を作ることが重要です。
営業会議を振り返りの場に変える
ただの報告会ではなく
- 成功事例の共有
- 提案内容の改善
- 課題の洗い出し
こうした振り返りがルート営業の質を育てます。
デジタル活用でルート営業はもっと強くなる
SFAやCRMを活用することで、ルート営業は新時代の営業へ進化します。
SFAで訪問管理・行動ログを可視化
- 訪問履歴
- 商談情報
- 次のアクション
これらが一元管理でき、属人化が解消します。
SFA(CRM機能)で顧客履歴をフル活用
顧客の情報が整理されることで、提案の質がぐっと上がります。
システムやルールが“次にやるべきこと”を教えてくれる
- 温度感の高い顧客
- タイミングが近い顧客
ルールを定義しておくことで、システムがこれらを自動で教えてくれるので、担当者の負荷が激減します。
デジタル活用は時代遅れ化を防ぐ営業の武器
昔ながらの営業スタイルが悪いわけではありません。
しかし、「アナログ+デジタル」のハイブリッド営業が、これからのスタンダードです。
これからのルート営業は“関係維持”から“価値提供”へ進化する
顧客が求めているのは「ただの訪問」ではありません。
- 課題を理解してくれる
- 必要な情報をくれる
- 提案してくれる
そんな価値ある接点です。
つまり、ルート営業はただ顔を出すだけの仕事ではなく、
価値提供型の営業へ確実にシフトしています。
まとめ|ルート営業は“効率化 × マネジメント × デジタル化”で進化できる
今日のまとめです。
- ルート営業の基本を知ることで改善点が見える
- 効率化のポイントは「ルート最適化・情報一元化・訪問目的化」
- 売上を伸ばすにはマネジメントの仕組みが必須
- デジタルを活用するとルート営業は劇的に強くなる
つまり・・・
「昔ながらのルート営業」は“アップデート”が必要な時代になった。
ルート営業はまだまだ進化できます。
そして正しく進化させれば、中小企業の大きな武器になります。





