オレの担当エリアには良い顧客がいない・・・
あるルートセールス型の商社で営業研修をしていたときのこと。
入社4年目を迎える若手営業パーソンがこんな本音を漏らしていました。
「担当している取引先が事業を縮小しているから予算を達成できるわけがない」
「同期は業績の良い取引先を持っていて、予算を達成し、社内で評価されている」
「私が評価されないのは取引先のせいだ」
うん、その気持ち、よく分かります。
ルートセールス型の営業では、担当する顧客やエリアによって成績に差が出ることはよくあることです。
ただ、それは仕事、いやビジネスの世界では「当たり前」なのではないでしょうか?
厳しい環境の中で、他の営業や競合よりも良い成果を出すこと
これこそが、営業の本質であり、ビジネスの本髄だと思うのです。
逆境こそ学びの大いなる機会
「ピンチはチャンス」とよく言いますが、不利な状況や困難は、新しいノウハウを習得する絶好の機会です。
この壁を乗り越えられれば、取引の少ない顧客への提案が楽しくなるはず。
さらに、4〜5年後に部下や後輩ができたときには、こう話せるようになります。
「取引がとても少ない取引先にこんな提案をして・・・・」
こんな風に自分の引き出しとなり、営業としての価値を高めることにつながります。
そう考えると、優良顧客や好条件のエリアを担当するよりも、むしろ厳しい状況の顧客を担当するほうが、成長のチャンスが大きいと言えます。
条件が悪い方が社内からも注目される
実績面でも、上司は「このエリア(顧客)で予算を達成するのは難しいよな」と分かっているはず。
そんな中で少しでも売上を伸ばせば、
「彼(彼女)はどんな手を打ったんだ!?」
と注目される可能性が高くなります。
優良エリアなら「予算達成は当たり前」ですが
未開拓のエリアなら「予算には届かなかったけど、よくやった!」
という評価を得られることもあります。
つまり、不利な状況での成果ほど、スポットライトが当たりやすいのです。
どんな状況でも、「顧客やエリアのせい」にしてしまったら、成長の機会を逃してしまいます。
不利な環境だからこそ、挑戦し、成果を出す。
その経験が、未来の自分を強くするのです。