僕がSFA業界に関わり始めたのは2000年代後半に入ってからです。
今回はSFAの歴史というか変遷を書いてみます。
2000~2010年頃 国産SFA戦国時代
SFAというシステム概念(ジャンル)は1990年代にアメリカから輸入されました。
それに伴って、日本国内のシステムメーカーがオリジナルソフトを開発、リリースしてSFA市場を拡大していきました。
今、振り返ると『第一次国産SFA勃興期』といえます。
なかでも凄まじい勢いでシェアを拡大していたのがソフトブレーン社でした。
創業者の宋さんの著書「やっぱり変だよ日本の営業」がベストセラーになり、プロセスマネジメントという言葉(手法)とともに更に勢いを伸ばしていった時代です。
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この時代に、ソフトブレーン社のeセールスマネージャーとしのぎを削っていたSFAといえば
顧客創造(深耕)日報
Dyanmics CRM
NICE営業物語
desknet’s SSS
JobMagic
などが挙げられます。
SFAよりも先に導入が進んでいたグループウェアに派生する製品が多かったのが今思えば特徴的です。
余談ですが、2007年くらいでしょうか。この頃になるとポケットWifiの祖先となるUSBやカード型通信端末が営業パーソンの必須ガジェットになってきました。
僕はイーモバのカード型を新しいものが出るたびに買い替えていました。
これによりSFAやグループウェアといった情報系ソリューションのニーズが更に高まってきました。
新興勢力の参入と撤退
先ほど『第一次国産SFA勃興期』と書きましたが、ここまでに挙げてきたSFAは老舗メーカーで多くは2000年以前から提供していました。
2000年後半に入ると、新たなSFAが誕生して頭角を現してきました。
その代表格がサイボウズ社のドットセールスとラクス社のEasy Salesです。
いずれも僕の推測に過ぎませんが、サイボウズ社は日本のグループウェア市場で大きなシェアを既に取っていて、ドットセールスにて既存顧客へのクロスセルを、
今では楽楽精算で有名なラクス社はSFA市場の成長を見込んで参入してきたのでしょう。
強力な開発母体を持っているドットセールスとEasy Salesですが、どちらも2010年代に入ってから販売を終了しています。
更にはJobMajic(リコー社)も2025年には終了することが決まっています。
情報系ソリューションの中でもSFA販売の難しさが際立つトピックと言えるでしょう。
企業母体が大きい(上場している)がゆえの難しさがあったのだと思われます。
当時のメーカー系Sierの動き
富士通社、NEC社、日立製作所社はそれぞれグループ会社のSierにここまであげてきたシステム(パッケージソフト)を担いで販売していた印象です。
FとNはeセールスマネージャーを長い間、販売していた記憶があります。
Hは当時関与する機会が少なかったため、分かりません・・・。
当時、SFAを導入するとなると僕の体感では90%以上がオンプレミス(サーバー設置型)でした。
そのため上の3社(のSier)にとっては旨味のあるビジネスだったのです。
2010~2015年頃 黒船襲来
2010年代に突入すると『クラウド』というワードに注目が集まります。
そして、このワードを誰よりも普及したのがセールスフォース・ドットコム社(当時)です。
2010年に本格的に日本市場に参入すると、たちまちシェアを拡大していったのです。
国内の老舗SFAメーカー各社からの営業人材の引き抜きが多くあったのもこの時期です。
外圧による進化
Salesforceという圧倒的なブランドとソフトウェアは日本企業のITリテラシーを高める良い意味での外圧となっていきました。
クラウドサービス(Saas)を利用して営業効率を高めること、これが当たり前になってきたのです。
あわせて国内のSFAメーカーも進化していきます。
多くの国産SFAが、それまでオンプレミス型でなければ他ソリューションとの連携を拒んでいましたが、Salesforceの自由度に負けないために連携に取り組み始めたのです。
更には『第二次国産SFA勃興期』へと突入します。
Salesforceの日本市場参入が国内SFA市場と国内システムメーカーを(良い意味で)刺激したからです。
KnowledgeSuite
Mazrica
ネクストSFA
ちきゅう(後に買収されてGENIEE SFA)
Sansan
そして、我がEcrea
これらのSFAが新世代ルーキーとして名乗りをあげ、現代でも第一線で活躍しています。
2016年以降 マーケティング分野との連携
次に台頭してきたのがMAというジャンルです。
SFAが一巡し、見込客を含めた顧客管理基盤が整った企業が次なる一手としてMAを導入することは当然のことです。
SATORI
SHANON
b→dash
など国産MAが続々と名乗りをあげ、SFA同様に外資のソフトウェアとの競争が激化しています。
「営業という職種の業務範囲を超えて見込客の情報を集めて、高精度な営業活動を実践することをサポートする」
このような営業体制の強化がMA&SFAに求められるようになりました。
そしてこの営業強化は2024年現在、『限られた企業』においては体制構築が完了しています。
広がる企業間のIT格差
ここからは今回のサブテーマの話になっていきます。
Salesforceは日本の『限られた企業』の営業生産性を飛躍的に高めました。
一方で、該当しない企業は置いてけぼりとなり、IT格差による営業レベルに大きな隔たりが企業間で生じるようになってきました。
限られた企業とは・・・
・リソースが豊かな情報システム部門を抱える大企業
・ITツール活用に長けているベンチャー
・ITリテラシーの高いスタートアップ
です。
人的リソースが十分ではない中小企業ではSFAやMAを使いこなすまでには至らず、IT格差が広がってきています。
これは、すなわち現代に必要な営業スキルの格差が広がってきていることを意味します。
IT格差は埋められる
SFAの歴史についてはここまでとします。
最後に、営業のIT化(≒DX)に乗り遅れてしまった企業がどうするべきかについて、僕の意見を述べてみます。
実は、ITツールにはIT得意企業向けと不得意な企業もローリスクで使えるものまでもが今の時代には用意されています。
たとえば社内の情報共有スピードを高めるチャット系でいえば
・Slack
・チャットワーク
・direct
このあたりは無料で利用を始めることができます。
他にもTodoならTrello、ランディングページならペライチといったように様々な無料~格安ツールが存在します。
IT得意企業向けツールの特徴は拡張性の高さで、自由度がウリです。
SFAではSalesforce、他で有名なITツールでいうと最近はNotionがその代表例でしょう。
一方でIT不得意な企業においては「業務を限定されているツール」を使うべきだと僕は考えています。
限定されているがゆえに「アレもコレも」というのは出来ませんが、だからこそ使いやすく日常業務にすぐに反映させることが望めます。
SFAで言えば・・・・弊社のEcreaです(汗)
機能を限定して導入することができるので、費用も安く、すぐに営業活動に必要な情報を集約することが出来ます。
宣伝、PRっぽい話で締めるカタチになってしまいました!
※注 今回のSFAの歴史については、あくまで僕個人の見解ですので誤りというか認識違いがあるかもしれません。ご指摘いただければ修正・削除します。