SFA(セールスフォースオートメーション)を検討している企業からたまに聞かれるこの質問
「SFA の 入力作業 って結構時間かかるんでしょ?」
ここでSFAメーカーの営業担当者ならだいたいこう答えます。
「いや、そんなに時間かかりませんよ」
「選択形式のみの簡単入力なら、すぐに終わります」
確かに選択形式のみの簡単入力なら、すぐに終わるんですけど、やっぱり商談内容ってテキスト情報も残しておきたくなりますよね。
私もSFA業界に携わって早10年以上が経ち、おそらく300社ぐらいのSFA運用現場に関与してきた肌感覚では、そんなに時間はかかっていないと思っているのですが、
実際のところどれぐらい 入力時間 ってかかるのか?が気になってしまったので、弊社のSFAツールであるEcreaを使って、実際に計測してみました!
※Ecrea標準機能ではなく個別に追加機能を開発し某企業にて計測しましたので、Ecreaユーザーの皆様は「えっ!?うちのEcreaへの登録データを勝手に計測されたの?」ということはありませんのでご安心下さい!(笑)
SFA 上で 入力時間 を計測した情報
今回、 入力時間 を計測した情報は
- 顧客情報
- 顧客担当者情報
- 活動情報
です。
次に実際に入力した内容をご説明します。
ちなみにEcreaは入力項目をユーザーが自由に編集、追加出来ますから、あくまでも今回計測した企業での項目例です。
顧客情報の入力内容
顧客情報には
法人名、法人名かな、住所、TEL、FAX、URL、顧客ランク、引合要因、自社担当者、備考
を入力する形式です。
顧客社員情報(顧客担当者情報)の入力内容
顧客社員情報には
担当者名、担当者名かな、部署、役職、メールアドレス、住所、TEL、FAX
を入力する形式です。
ちなみにEcreaの場合、親データとなる顧客情報に入力されてる住所、TEL、FAXは自動的に顧客社員情報に反映されますので、直通番号や部署番号がある場合には、TELを修正して、代表番号のみの場合は修正する必要はありません。
実質、「住所、TEL、FAX」の3項目は改めて入力しないことが多いですね。
活動情報の入力内容
活動情報には
日付(いつ)、顧客情報の選択(どこの会社の)、顧客社員情報の選択(だれと)、目的(何をしに)、内容(どんな内容だった)
を入力する形式です。
活動情報は、選択形式のみではなく、活動の目的を選択させて、内容をテキスト入力させるSFAではよくあるオーソドックスな入力フォームです。
SFA入力時間の計測方法
次にSFAの入力時間の計測方法ですが、今回は
①新規登録ボタンを押して入力フォームを表示する
②各種情報の選択、入力をする
③登録ボタンを押して登録を完了させる
という入力フォームの呼び出しから登録完了までを計測出来る機能を個別に開発して、計測しました。
SFA入力時間の計測結果
では、気になる計測結果の発表です。
今回は各マスタ情報に対して、
合計登録件数(今回の計測データの登録情報数)
平均登録時間(今回の計測の平均登録時間数)
をまとめております。
顧客情報の計測結果
合計登録件数:201件
平均登録時間:97秒
平均すると顧客情報の入力1件あたり約1分30秒という結果になりました。
顧客情報に入力する情報は、企業ホームページの会社概要欄に掲載されていることが多く、基本的には、記載されている情報をコピー&ペーストしていくことで入力時間の短縮が図れます。
顧客社員情報の計測結果
合計登録件数:383件
平均登録時間:49秒
平均すると顧客社員情報の入力1件あたり約50秒という結果になりました。
顧客社員情報は、Ecreaの場合には、住所やTELなどの情報は顧客情報に入力した情報が反映可能なので、氏名、部署、役職などの情報の入力をすればOKなため、顧客情報の約半分の時間で入力が完了しています。
おそらく入力に1番時間がかかりやすいのは、慎重に入力するメールアドレスですね。
また、Ecreaでは、顧客社員情報のコピー入力機能があり、同一企業で複数人と名刺交換した際には、似たような顧客社員情報をコピーして、新規登録が可能です。
このコピーして登録の便利なところは、メールアドレスは@より前のみを削除して、@以下だけを残してコピーしてくれるので、複数人の情報を登録する際の時間短縮がしやすくなっています。
活動情報の計測結果
合計登録件数:1,861件
平均登録時間:69秒
平均すると活動情報の入力1件あたり約1分10秒という結果になりましたが、目的の選択のみで完了する情報は2秒程度、内容欄をしっかりと入力する情報は3分程度かかっている情報もあり、入力時間のばらつきが多かったです。
1日の営業活動を SFA に入力するために必要な時間
では、これらの計測結果をもとに1日の営業活動をSFAに入力するために必要な時間はどれぐらなのかをシミュレーションしてみます。
それぞれの情報の平均登録時間は
顧客情報:97秒
顧客社員情報:49秒
活動情報:69秒
という結果になり、仮に1回の営業活動の入力をする際に、顧客情報など全てを新規登録するとすれば
97秒+49秒+69秒=215秒
1日に3件の営業活動を入力すると、
215秒×3件=645秒
ということで、約10分程度かかるということになります。
もちろん全ての営業活動の登録で顧客情報を新規登録するというケースは少ないかと思いますし、反対に1つの活動で複数の顧客社員情報を登録することや活動情報の内容欄をしっかりと入力することで、1回の営業活動の 入力時間 に時間がかかってしまうケースもあります。
また、入力件数も3件以上入力するようなケースもあると思います。(入力件数については、営業電話で不在だった場合も入力するのかどうかなどの登録基準に関する運用ルール決めも重要ですね)
そういったことを勘案すると、
SFA入力に1日あたり投下する時間は10分~30分程度
になると予測されます。
入力時間 計測の結論
さて、この 入力時間 に関する結果を見て、短いと思いますか?長いと思いますか?
判断基準は人それぞれだとは思いますが、SFAを入力することで様々な情報が簡単に抽出出来たり、過去の営業活動の履歴を手間なく参照したり、出先からスマホなどで顧客の情報をすぐに調べたり出来るようになります。
SFAがない会社では、そのたびに共有ファイルを探したり、企業によっては、紙保管している顧客台帳をキャビネットから取り出してきたり、出先で顧客情報を調べるために名刺管理ファイルを持ち歩いたりすることもあるでしょう。
そういった際に発生する作業時間や情報紛失のリスクとを比較すると、毎日の入力に投下する10分~30分程度の時間は、十分に回収出来ると私は考えています。